趣味の延長で植物を売ったりもしてますが

このちっさい苗の購入にオクで片手近く掛けた私。
しかも競い合ってた人はよく苗を交換している知人だったw
二人で反省☆
このチビ苗の美しさが本領発揮されるのは何年先か?!
それとも腐るのが先か?!
冬のない国から来た植物なのでこの冬無事過せますように!
関係ないけど賞味期限1ヶ月前に切れたヨーグルトをうっかり食べちゃた3日目。
今だ無事な自分の胃袋を褒め称えたい。
テンペスト 08
「・・・暗いぞ遊星」
奥歯で苦虫でも潰したような不機嫌さを隠さないジャックの声に振り向く。
「気になるならさっさと出てけ」
日付の変ろうとする時間になってもこの部屋でくつろいでいるのは俺の所にあるパソコンで過去のデュエルの対戦を見ていたからだ。
持ち込んだ缶コーヒーの空き缶を床に並べ先日の4戦目になる大会の映像を見ていた。
アテムはチャンピオンの挑戦権とも言うべきポイントを無傷のまま集め、不安を残さないデュエルで勝利した所がクローズアップされていた。
それからお決まりのように遊戯の所に駆け寄り勝利を分かちあっている光景はもはや名物となっていた。
ただし、今回今まで臥されていた遊戯のデュエリストとしての簡単なプロフィールと戦績が流れ、世間はもちろんネットでも話題に上がっていた。
アテムも頻繁に受けざるをえなくなったインタビューに遊戯の事を誉めちぎって生涯の好敵手と位置づけたのはまだ記憶に新しく、学校でもその話題は持ちきりになっていた。
知らず知らず耳に届くようになった遊戯の噂話を耳は自然に拾い、一年生の姿を見てはその姿を探しては自己嫌悪に陥る。
どれだけ諦めが悪いのかとベットに潜り込んで目を瞑る。
ジャックの隣でモニターを覗き込んでいたクロウの溜息に耳を塞げば軽快な音楽と共に携帯が騒ぎ出した。
なんだ?と思っている合間にクロウが投げて渡してくれるのを拾い液晶を見れば見た事もないアドレスが書かれていた。
ただ件名は先輩まだ起きてるか?と言う知り合いのような文字の羅列に不審に思いながらもメールを開いてその名前に表情が固くなる。
それを察してかクロウとジャックが覗き込むのに隠さずに見せれば短い文面が事務的に書いてあった。
少し遅れたが先日の礼がしたい。
明日の11時に学校の駅前のオープンテラスの喫茶店で待ってる。
―――アテム
年下とは思えない文面に本当に礼がしたいのかとクロウが呟くも
「何で俺のアドレスを知っているんだ」
首を捻れば
「遊戯が知ってるだろ」
ジャックの当然と言う言葉に確かにと思うも、あまり携帯の操作が得意でない遊戯からメールは来た事は無い。
何度か通話ならあったのですっかりその存在を忘れていたが。
アテムへの返信をどうしようか迷った挙句寝たふりをして知らなかった事にし、今だパソコンから溢れる情報をシャットダウンするように瞼を閉じた。
そして朝。
学校に行くよりも遅く、でもいつも起こしているはずのジャックとクロウが俺の部屋にずかずかやってきて布団を捲り上げ文字通り叩き起こしに来た。
一瞬何が起きたか判らず周囲を見回してしまうも、半ば強制的にジャックによって風呂場に連れ込まれて頭から少し熱めのシャワーを浴びせられる。
「いきなりなんなんだ!」
頭からざあざあと人肌よりも5度は熱いだろうシャワーの中で抗議をすれば
「約束の11時から逆算すると10時には家を出なくては間に合わない」
妙に真面目腐った口調のジャックの解説に付き合うかのように
「朝飯を食べて準備するにはちょうど良い時間だろ」
突きつけられた目覚まし時計は防水性では無い。しかも俺のだ、やめてくれ。
だが既に9時を過ぎたばかりの時間にクロウは時計をジャックへと渡し朝飯作ってくるなと暢気な声を残して行った。
だがとりあえず・・・
「わかったから出て行ってくれないか」
狭い風呂場に成人男性に近い男が二人居ては狭くてしかたがないと言う事を伝えれば鼻でジャックはそんな事かと笑いながら去って行った。
一体何なんだと肌に張り付いたシャツを剥すように脱いで今更どうしようもない体に叩きつけるようなシャワーを浴びる事にした。
そしてシャワーから上がればクロウが作る湯気が昇る出来たての朝食。
喰えと差し出されて喰わないつもりもないが、休日の朝は昼まで眠るが信条の二人がこの時間に起きている事事態奇跡でパンをかじりながら意図を探る。
そうすれば二人は俺の言う事を察したように溜息を吐き
「今日アテムに会うんだろ?」
クロウの言葉に気づかないうちに眉間が寄るもジャックが俺の顔を見ずにスクランブルエッグを頬張りながら
「今日を逃していつ戦う」
一体何の事か判らない会話を二人で進める。
頭の奥で警戒音がなるも既に自分の中で導き出した結論に何を戦うのだと言えば二人して俺を睨みつけた。
「当たって砕けろなら見事玉砕して来いと言ってるのだ!」
負け戦に挑めと言うジャックの力説に呆れながらもパンを齧る。
「だがアテムは俺と会ってどうするつもりなのか」
まったく判らんといえば二人も確かにと否定せずただ眉間に皺を寄せる。
だけど
「額面どおりに受け取れば良いんじゃないのか?」
メールの先日の礼がしたいと言う文面だろう。
「何か美味いもん食わしてくれるかもしれないぞ」
時間的にはランチにはピッタリだろうが・・・
「アテムと会ってどんな話しをすれば良いんだ?」
訊ねるも二人は沈黙を守るだけ。
会って何話すかなんて、時折学校ですれ違いテレビの中の存在にどんな話題を振ればいいかなんて知る由もない。
「無難な所でデュエルの事だな」
うんうんと頷きながらジャックの提案にクロウも頷く。
「どっかでデュエルしてもらうって言うのもありだな」
現役チャレンジャーとデュエルする機会なんて滅多にあるものじゃない。
だけど、今ひとつ乗り気にならない。
パサつく口の中をミルクティーで流し込み席を立つ。
「適当に帰ってくるさ」
とりあえず出かける事にして準備をする。
相手はアテムだ。乗り気じゃなくても万が一の事を考えてデッキを準備して財布と定期の確認。
休日にまで学校付近に行くと言う理不尽さを覚えながらも行って来ると、いまだテーブルから動いていない二人に言えば
「頑張れよー」
「玉砕して断ち切って来い」
わけの判らない応援に見送られるもじりりと熱い肌が焼けるような太陽を見上げるように空を仰ぐ。
「熱いな」
溜息を零しながら足を運びながらもうすぐ始まる夏休みの予定を考えてみた。
[8回]
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