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【2025/07/09 02:31 】 |
テンペスト 12
気が付いたらイブですよ!
もうすぐ一年終わりますよ!!
なんて今年も実りのない一年だったでしょうかorz
まあいい<そうか?
そんなわけでクリスマスSSなんておもいも付きませんでした<殴ッ!!!
なのでマイペースにテンペストの更新です。



テンペスト 12


「不動遊星はいるかっ!!!」

HRが始まるには十分早い時間。
突如開いたドアから景気よく現れたのは遊戯によく似たアテム・イシュタール。
この学校の有名人の三指に納まる人物だった。
本名は一度遊戯から聞いてみたが古くから続く家のために何かの呪文のように長く、初対面の時に言われたように「覚えられない」のは確かだった。
学校では許可の下に略してそう名乗っているので寿限無君にはならないようだが、そのアテムがなにやら血相を変えて3年の教室に飛び込んできたので教室内はとたんに静かになり誰ともなく視線を俺に投げる。
「なぁ、お前何やったんだ?」
クロウが肘で俺をつつきながら小声で訪ねれば
「不動遊星はここに居る!」
何故かジャックが偉そうに腕を組んで胸を張って応えていた。
そんな返答にクロウはあちゃーと項垂れるもアテムの要件は予想が付く。
1年なのに堂々と3年の教室内に足を運び・・・いや、彼にとったら3年とか1年とかそういう概念は些細な問題以下なのだろう。
ツカツカとちいさな足音を立てながらジャック同様堂々とした歩き方で俺の前に立つ。
「先日は約束をしておきながら突然行けなくなってすまない」
言葉の内容はともかくまったく悪びれてもいないように胸を張って謝れてもなんとも言えない。
と言うか、寧ろ堂々とこうやって謝れてどうすればいいのか何て判らない。
「突然の家の都合だと聞いた。謝る必要は無いと思う」
とりあえずこの話題は早く終わらせようと言えば、どんな形であれ謝罪が出来て気が済んだのか小さく頷ききゅっと眉間が寄る。
本題はこれからかと心構えを作れば
「何も話してくれないんだ」
「主語と述語は何処行ったー?」
クロウのツッコミに俺も頷くも、何の話しだかまったく判らないが本人は十分通じていると思っているらしくまだ登校していない前の席の椅子に当然のように座って項垂れ、あまりのその見事なまでに周囲を気にしない精神に聞えてるだろう周囲の囁きさえシャットダウンしている。
何処か青ざめるような表情で
「帰ってきてから相棒の様子が少しおかしくて、いや、病気とかじゃなく、その話しになると顔が真っ赤になって熱があるのかな?だが体温は平熱だし相棒は風邪じゃないんだって言うし・・・」
なにやらぶつぶつ小声で分析するように自分の世界に入ってしまったアテムに大丈夫かと肩を揺らせば不意に気づいたと言うように瞳の焦点が合う。
「すまない。だがこんな事は初めてなんだ」
何がだと言うように黙ってその先を促せば
「俺に隠し事をしている」
それで何も話してくれないに繋がるのだと納得が出来たが
「そりゃ誰でも隠しておきたい事の一つや二つはあるだろ?」
クロウの尤もな言葉に俺達は頷くが目の前で項垂れている男は違うと首を横にふる。
「相棒は隠し事が出来る性格じゃない。内緒にするどころか自分から何でも話してくれる。それどころか内緒にする事ができるほど器用じゃないんだ」
なんていう評価だと思うも遊戯が内緒にしている内容は大体判った。
この件に関してはまだクロウとジャックにもまだ話していない。
気づかれないように心の中で冷や汗を流せば

「やっぱりここに居た!!」

目の前で項垂れている男の瓜二つの姿が現れた。
背後には4人の男子クラスメイトと1人の女子のクラスメイトが応援と言うように付いて来ていた。
現れた遊戯の姿を見て教室中の注目を浴びるもクロウがちょいちょいと手招きすれば少し戸惑った中、遊戯とその一向は教室の中に足を踏み入れる。
やはり違う学年のせいか少しおびえたような表情を浮かべるも
「いきなり教室を飛び出して行ったって聞いたけど、何で三年の教室にいるの?!」
遊戯達含め子のクラス全員の疑問の代弁だがアテムはあっさりと言う。
「不動遊星に会うには三年の教室に来なくちゃいけないだろ?」
それも尤も至極な話しなのだが
「だからって、昼休みとか放課後とかに会えば良いじゃないの」
アテムの常識にガクリと項垂れる遊戯にもそのとおりだと頷く。
「だが疑問にはなるべく早く取り掛かり解決する物だろ?」
「確かにその通りかもしれないけど」
アテムに賛同する声はよく聞きなれた第三者の声。
「君達、予鈴が鳴ってるのには気づいたかにゃ?」
担任の大徳寺先生が何気なくここに混ざっていた。
更に俺の前の席の天上院君まで混ざってにっこりと笑う。
「ボクとしては決闘王が僕の椅子に座ってると言う事実の方が嬉しいけどね」
プレミアが付きそうじゃないかと楽しそうに笑う彼にアテムは立ち上がり席を譲り、未知の生物に遭遇したと言うような顔で遊戯の隣に回りこむ。
「それで一年生の諸君は何か用事なのかにゃ?」
突然の担任の出現とアクの強いクラスメイトのダブル攻撃に少し放心した遊戯たちを庇うように席を立ち
「どうやら迷子になったようで・・・」
思いついたとっさの言い訳は教室中を沈黙の中に陥れた。
だが、俺達よりも年を重ねた担任はそれぐらいじゃ堪えない。
「だったら1時限目が始まるまでに彼らを教室に送ってってあげなさい。あとは、途中遭難しても良いように」
はいと渡されたのは一つの鍵。
「もし迷子になったら屋上に上がって現在地を確認すると良いのにゃ」
揉め事なら屋上に行けと言うことだろうか話しの判る担任でよかったと思う反面教師がこれでいいのかと軽い頭痛を覚えたのは黙っていよう。

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【2010/12/24 09:10 】 | テンペスト
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